北杜市観光完全ガイド|八ヶ岳で自然と文化を満喫する旅
「日常の喧騒から離れて、美しい自然の中でリフレッシュしたい」そんな想いを抱いている方におすすめなのが、山梨県北杜市です。八ヶ岳南麓と南アルプスに囲まれた北杜市は、標高400m~1,400mの高低差を持つ高原リゾート地として多くの観光客に愛され続けています。
清里高原や小淵沢エリアを中心とした豊かな自然環境、名水百選に選ばれた湧水群、そして四季折々の絶景が織りなす魅力は、一度訪れた人を魅了してやまない特別な場所となっています。
この記事では、北杜市の定番観光スポットから地元おすすめの穴場まで、季節別の楽しみ方や効率的な観光モデルコースまで詳しくご紹介いたします。東京から車で約2時間というアクセスの良さも相まって、きっとあなたの心に残る特別な旅となるでしょう。
目次
北杜市の魅力|名水と絶景が織りなす高原リゾート
山梨県北杜市が高原リゾート地として多くの観光客に愛される理由を詳しく解説いたします。名水・絶景・高原気候という3つの魅力を知ることで、あなたの北杜市旅行がより充実したものになるでしょう。
八ヶ岳・南アルプスの雄大な自然環境
北杜市は八ヶ岳連峰と南アルプス山系という日本を代表する名峰に囲まれた特別な立地にあります。標高約400m~約1,400m以上という高低差が織りなす多様な自然環境では、四季を通じて変化に富んだ山岳景観を楽しむことができます。
特に清里高原エリアからは甲斐駒ヶ岳の雄大な姿を一望でき、小淵沢周辺からは八ヶ岳の美しい稜線が眺められるなど、市内各所に絶景ポイントが点在しています。春の新緑、夏の深緑、秋の紅葉、冬の雪化粧と、季節ごとに表情を変える山々の景色は多くの登山愛好家やハイキング愛好者を魅了し続けています。
名水百選に選ばれた清らかな湧水群
北杜市は日本名水百選に選ばれた「八ヶ岳南麓高原湧水群」(三分一湧水、大滝湧水など)をはじめ、「白州・尾白川」「金峰山・瑞牆山源流」の3箇所が名水百選に認定された、全国有数の名水の里として知られています。これらの湧水は南アルプスの雪解け水が長い年月をかけて地下で濾過されたもので、ミネラル豊富な天然水として高く評価されています。
市内各所の湧水地では、美しい湧水の様子を見学することができ、その清らかさと豊富さを物語っています。特に白州エリアは国内有数のミネラルウォーター生産地域としても知られており、この豊かな水資源が北杜市の自然環境の豊かさを象徴しています。
標高1000m超の清涼な高原気候
市内の大泉地点の気象データ(気象庁)によると、年平均気温は10.7℃となっています。年間降水量は約1,138mmで全国平均より少なく、日照時間は年間約2,200時間を超えることが特徴です。
特に明野町は「日照時間日本一」として全国的に知られており、地元の明野中学校による長年の観測活動によってその事実が実証されています。夏は高原特有の冷涼な気候が期待できる一方、近年は最高気温が30度を超える日も増加していますが、都市部と比べて過ごしやすい環境となっています。詳しい最新の気象情報については公式サイトでご確認いただけます。
北杜市観光スポット|定番から穴場まで完全網羅
ここでは北杜市の魅力的な観光スポットを自然・文化・グルメ・体験の4つのカテゴリーに分けてご紹介します。八ヶ岳南麓と南アルプスに囲まれた豊かな自然環境と、地域に根ざした文化やグルメが楽しめる多彩なスポットをお楽しみください。
清泉寮・萌木の村など人気の定番スポット
清泉寮は北杜市を代表する観光スポットとして、多くの観光客に愛され続けています。山梨県北杜市高根町清里に位置する清泉寮ジャージーハットでは、約300平米の広大な展望テラスから富士山や南アルプスの雄大な山々を一望でき、名物のソフトクリームを味わいながら絶景を堪能できます。
営業時間は9:00〜17:00(季節により変更あり)で、アクセスは中央自動車道長坂ICから車で約20分、清里駅から清泉寮までは徒歩25〜30分ですが、坂道が続くため体力に自信のない方はバスやタクシーの利用をおすすめします。
萌木の村では、人気レストラン「ROCK」で地元食材を活かした料理が楽しめ、ホテルやオルゴール博物館も併設されています。
オルゴール博物館では約250台のオルゴールを収蔵し、常時50台を展示する文化施設として注目されています。営業時間は10:00~18:00(最終入館17:30)※冬期10:00~17:00(最終入館16:30)、定休日は水曜日(4月〜9月は無休)、入場料は大人1,000円(2025年6月時点)で、最新の営業時間や料金については公式サイトでご確認ください。

吐竜の滝・尾白川渓谷の絶景ポイント
北杜市の自然景観を代表する吐竜の滝は、山梨県北杜市大泉町に位置する美しい滝です。落差約10メートルの滝が岩肌を流れ落ちる様子は「竜が水を吐いている」ように見えることからその名が付けられ、四季を通じて異なる表情を見せてくれます。
特に新緑の季節と紅葉の時期は絶好の撮影スポットとなり、多くの写真愛好家が訪れています。駐車場から滝までは徒歩約15分のハイキングコースとなっており、森林浴も一緒に楽しめます。駐車場は約20台収容可能ですが、道幅が狭いため運転には注意が必要です。
尾白川渓谷は「白州・尾白川」として日本名水百選に選ばれ、南アルプスの甲斐駒ヶ岳を源とする清流が作り出した美しい渓谷です。千ヶ淵、神蛇滝、不動滝など見どころが多く、渓谷沿いには遊歩道が整備されており、千ヶ淵まで駐車場から徒歩約15分でアクセスできます。
エメラルドグリーンの清流と花崗岩の白い岩肌が織りなす景観は圧巻で、ハイキングや自然散策を満喫できるエリアとして人気を集めています。

地元おすすめの隠れた名所と新施設
地元住民に愛される穴場スポットとして、三分一湧水館周辺が注目されています。「八ヶ岳南麓高原湧水群」として日本名水百選に選ばれた三分一湧水は、美しい湧水の様子を見学することができる観光スポットです。
併設の農産加工物直売所では新鮮な地元野菜や加工品を購入できます。三分一湧水館の営業時間は9:00〜17:00で、湧水自体はいつでも見ることができます。そば処「三分一」では地粉を使った手打ちそばが評判で、名水を活かした料理を堪能できる隠れた名店として知られています。
最近注目されている新しい施設として、道の駅はくしゅうやコワーキングスペースなどが地域活性化に貢献しています。道の駅はくしゅうでは地元の特産品やお土産が豊富に揃っており、併設のレストランでは地域の食材を活かした料理も楽しめます。
また、須玉エリアや明野エリアでは季節限定のイベントや体験プログラムも開催されており、時期によって異なる魅力を発見できる地域として、リピーターにも人気の観光エリアとなっています。アクセス方法や営業時間は施設によって異なるため、訪問前に公式サイトや観光協会で最新情報をご確認ください。

季節別観光プラン|北杜市を最高に楽しむ時期選び
ここでは北杜市の四季それぞれの特徴的な見どころと最適な観光時期を詳しくご紹介します。八ヶ岳南麓の標高差を活かした多彩な季節の魅力を知ることで、あなたの訪問時期に合わせた最高の北杜市体験をお楽しみいただけます。
春の桜並木と山野草の見頃時期
春の北杜市は桜と山野草の競演で彩られる特別な季節です。3月下旬から4月中旬にかけて、樹齢約2,000年といわれる山高神代桜が見事な花を咲かせ、日本三大桜の一つとして多くの観光客を魅了します。
武川町の眞原桜並木では、約750メートルにわたって約200本のソメイヨシノが咲き誇り、甲斐駒ヶ岳など南アルプスの残雪を背景にした絶景の撮影スポットとなっています。眞原桜並木は山高神代桜より例年1週間~10日ほど遅く見頃を迎えます。
この時期は桜だけでなく、山野草も見頃を迎えます。カタクリやスミレ、ヤマエンゴサクなどが森林に彩りを添え、ハイキングコースでは自然散策と花見を同時に楽しめます。混雑を避けるなら平日の午前中がおすすめで、中央自動車道の須玉ICや小淵沢ICからのアクセスが便利です。
- 見頃時期:3月下旬~4月中旬(開花状況により変動)
- アクセス:中央自動車道 須玉IC・小淵沢ICより車で約20~30分
夏のひまわり畑と避暑地体験
夏の北杜市といえば、明野のひまわり畑が圧巻の景色を見せてくれます。7月下旬から8月下旬にかけて、約40万本のひまわりが一面に咲き誇り、南アルプスや富士山を背景にした絶景が楽しめます。日照時間日本一を誇る北杜市の中でも明野エリアは特に恵まれた環境で、ひまわりの生育に最適な条件が整っています。
清里高原エリアでは冷涼な空気の中でのハイキングや、清泉寮でのソフトクリーム体験、萌木の村での涼しいテラス席でのお食事など、夏ならではの楽しみ方ができます。標高1,000メートルを超える高原気候により、都市部より涼しく、避暑地として人気です。
- 開催期間:7月中旬~8月下旬(「北杜市明野サンフラワーフェス」)
- アクセス:中央自動車道 須玉ICから車で約15分
- 注意事項:期間中は臨時駐車場設置、周辺道路の混雑が予想されます

秋の紅葉スポットと収穫体験
秋の北杜市は山々の紅葉と実りの季節が重なる魅力的な時期です。10月中旬から11月上旬にかけて、八ヶ岳や南アルプスの山麓が赤や黄色に色づき、尾白川渓谷や吐竜の滝周辺では特に美しい紅葉が楽しめます。川俣川渓谷の東沢大橋(赤い橋)からの眺望は、関東屈指の紅葉スポットとして写真愛好家に人気です。
この季節は果樹園での収穫体験も魅力の一つです。ぶどう狩りやりんご狩りが各農園で開催され、特に標高差を活かしたリレー栽培により長期間楽しめます。白州や武川エリアでは新米の収穫時期でもあり、地元産コシヒカリの新米を道の駅や直売所で購入できます。
- 見頃時期:10月中旬~11月上旬
- 収穫体験:料金は農園により異なります(事前にお問い合わせください)
- 注意事項:料金や営業時間は各施設にお問い合わせください
冬のスキー場と温泉で癒しの時間
冬の北杜市は雪景色と温泉が楽しめる癒しの季節となります。サンメドウズ清里スキー場では、標高1,900メートルからの絶景を眺めながらスキーやスノーボードが楽しめ、初心者から上級者まで多彩なコースが用意されています。営業期間は12月中旬から3月下旬で、晴天率約80%を誇る恵まれた環境です。
日帰り入浴可能な温泉施設では、甲斐大泉温泉パノラマの湯などで雪見風呂を満喫できます。泉質はナトリウム-炭酸水素塩泉で、疲労回復や美肌効果が期待できます。冬の八ヶ岳は晴天率が高く、雪化粧した山々と満天の星空が楽しめるのも魅力です。
- スキー場営業期間:12月中旬~3月下旬(雪況により変動)
- リフト券料金:大人5,000円~(春スキー料金の一例)
- 温泉入浴料:大人830円~(施設により異なります)
- 注意事項:最新の営業状況や料金については各施設の公式サイトでご確認ください
北杜市観光モデルコース|1泊2日で巡る効率プラン
ここでは、山梨県北杜市の有名観光地を効率よく巡る1泊2日のモデルコースをご紹介します。八ヶ岳南麓と南アルプスに囲まれた豊かな自然環境の中で、定番の人気スポットから絶景ポイント、グルメスポットまでを網羅した実用的なプランニングとなっています。移動時間や所要時間を考慮し、実際の旅行計画に活用できる情報を詳しくお伝えします。

有名観光地巡りコース|定番スポットを満喫する旅
1日目:清里高原エリアの定番スポット
10:00 清泉寮のジャージーハットに到着し、北杜市を代表する名物ソフトクリームを味わいながら300平米を超える大展望テラスから富士山や南アルプスの雄大な山々を一望します。
11:30 車で約5分移動してまきば公園で動物とのふれあい体験を楽しみます(11月中旬~4月中旬は冬期閉園)。広大な牧草地で羊やヤギと触れ合える人気スポットです。
13:00 車で約10分移動して萌木の村に到着。人気レストラン「ROCK」で地元食材を活かしたカレーと八ヶ岳ブルワリーのクラフトビールを堪能します。ただし、運転される方の飲酒はご遠慮くださいね。
15:00 オルゴール博物館「ホール・オブ・ホールズ」でアンティークオルゴールを含む自動演奏楽器のコレクションを鑑賞し、毎日開催される演奏コンサートを楽しみます。
16:30 萌木の村内を散策し、森に囲まれたメルヘンな雰囲気の中でショッピングを満喫。夜は清里高原ホテルやペンション、清泉寮本館などの宿泊施設で、「星見里(ほくと)」と呼ばれるほど美しい満天の星空を楽しめます。
2日目:渓谷と名水スポット巡り
9:00 尾白川渓谷を訪れ、日本名水百選に選ばれた「白州・尾白川」の清流を楽しみます。エメラルドグリーンの千ヶ淵までの散策は往復約1時間往復約40分(片道約20分)で、花崗岩の白い岩肌とのコントラストが美しい絶景ポイントです。
10:30 車で約20分移動して吐竜の滝へ。落差約10メートルの神秘的な滝を撮影します。駐車場から滝までは森林浴を楽しみながらの約15分のハイキングで到達できます。
12:00 車で約15分移動して三分一湧水で「八ヶ岳南麓高原湧水群」として日本名水百選に選ばれた湧水を見学。美しい湧水の様子を観察できる貴重なスポットです。
13:30 併設の三分一湧水館で名水を使った手打ちそばランチを楽しみます。
15:00 車で約10分移動して道の駅はくしゅうで名水で作られた地酒や新鮮な高原野菜、北杜市の特産品をお土産として購入。北杜市の魅力を存分に体験した旅の締めくくりとします。
時間に余裕がある方におすすめの追加スポット
中村キース・ヘリング美術館(所要時間:約1時間)では、約300点の作品を所蔵する世界唯一のキース・ヘリング専門美術館として、カラフルで躍動感あふれるポップアートの世界を楽しめます。清泉寮から車で約15分の立地です。
サントリー白州蒸溜所(所要時間:約90分、抽選制予約が必要)では見学ツアーでウイスキー製造工程を学び、併設のショップやバーで希少な原酒を味わうことができます。白州エリアからアクセス良好です。
季節限定スポットとして、明野のひまわり畑(7月下旬~8月下旬、所要時間:約1時間)では約40万本のひまわりが咲き誇る絶景を、山高神代桜(3月下旬~4月上旬、所要時間:約30分)では樹齢約2,000年の日本三大桜の一つを鑑賞できます。これらの追加スポットを組み合わせることで、より充実した北杜市観光を楽しめます。
移動時間の目安
- 清泉寮⇄まきば公園:車で約5分
- まきば公園⇄萌木の村:車で約10分
- 尾白川渓谷⇄吐竜の滝:車で約20分
- 三分一湧水⇄道の駅はくしゅう:車で約10分
アクセス情報と移動時間の目安
東京(新宿駅)からのアクセスは、車・電車共に約2時間と非常に便利です。車でのアクセスは中央自動車道を利用し、小淵沢インターチェンジ、長坂インターチェンジ、須玉インターチェンジが利用できます。目的地のエリアに応じて最適なインターチェンジを選択することで、効率的な移動が可能です。
電車でのアクセスは、特急あずさ号が新宿~小淵沢駅間で運行されており、小淵沢駅への停車本数は時期により変動します(一部列車は通過・臨時停車を含む)。韮崎駅や長坂駅も利用でき、それぞれの駅から市内各地へはタクシーやレンタカーでの移動が便利です。
市内の観光スポット間の移動時間は、清泉寮から萌木の村まで車で約10分、中村キース・ヘリング美術館まで約15分、道の駅はくしゅうまで約20分となっています。各スポットには十分な駐車場が整備されており、マイカーでの観光も安心して楽しめます。最新の運行状況については、JR東日本公式サイトでご確認ください。
まとめ
この記事をお読みいただき、誠にありがとうございました。山梨県北杜市の魅力あふれる観光情報をお伝えできたでしょうか。八ヶ岳南麓と南アルプスに囲まれた自然豊かな北杜市は、四季を通じて異なる表情を見せてくれる特別な場所です。ここで改めて、あなたの北杜市旅行を成功させるための重要なポイントをご紹介いたします。
- 北杜市は3箇所の日本名水百選に認定された全国有数の名水の里である
- 清泉寮や萌木の村などの定番スポットから尾白川渓谷などの絶景ポイントまで多彩な観光地が点在している
- 春の桜、夏のひまわり、秋の紅葉、冬のスキー場と四季それぞれに異なる魅力を楽しめる
- 東京から車で約2時間、電車でも約2時間という優れたアクセスの良さを誇る
- 1泊2日のモデルコースでは清里高原エリアと渓谷・名水スポットを効率的に巡ることができる
北杜市は日常の喧騒から離れて美しい自然の中でリフレッシュできる、まさに理想的な高原リゾート地です。名水百選に選ばれた清らかな湧水、雄大な山岳景観、そして温かい地域の人々との出会いが、きっとあなたの心に残る特別な旅の思い出を作ってくれることでしょう。ぜひこの記事を参考に、素晴らしい北杜市観光をお楽しみください。